「母名義の自宅マンションを家族信託し、母の老人ホームの費用が不足する場合に備えた」
状況
母は80代、要支援1で50代の長男と自宅マンションで同居しています。
父は既に他界しており、長男以外に子は、長女と二女がいます(いずれも50代)。
母は週2回ほどデイサービスに通っていたのですが、最近になって気力と体力が衰え、ほとんど外出しなくなり、デイサービスもやめてしまいました。
毎日、自宅に引きこもり、うつ病の初期状態のような生活を送っていました。
長男によると、母は老人ホームに入ることを希望しているとの事でした。
そこで、長男、長女、二女で話し合い、母を介護付き有料老人ホームに入所させることにしました。
老人ホームの費用の問題
老人ホームの費用がひと月20万円以上かかるので、母のひと月12万円の年金では足りず、母の預金900万円から不足分を補填する必要があります。
そして、この預金もいずれは底をついてしまうことが予想されます。
川口相続遺言相談室からのご提案&お手伝い
そこで、母名義の自宅マンションを家族信託することを提案しました。
家族信託により長男に自宅マンションの売却権限を与え、将来、母が認知症になったとしても、長男らの判断でマンションを売却することができ、その売却代金を母の施設費用に充てることができるようにしました。
これにより、母の預金が底をついてしまうという事態に備えることができました。
今では、長男、長女、二女のいずれも安心して、母の老人ホーム入所を見守っています。
また、母も元気を取り戻し、老人ホームで毎日楽しく過ごしています。
当事務所からのメッセージ
高齢化に伴い、認知症を患う方は増えてきています。
認知症になると、①預貯金、②不動産が凍結されて、例え家族であっても預貯金を下ろす・不動産を管理・売却することができません。
そこで「家族信託」という方法を使うと、ご本人の代わりにご家族の方が管理することができます。
認知症になってからですと、「成年後見」という方法しか対応ができないのですが、こちらは弁護士・司法書士などの専門家が管理されるケースが多いです。
>>成年後見制度とは?親が認知症になったときに知っておきたいこと
信頼できるご家族で管理していきたい場合は、家族信託をオススメしております。
民事信託(家族信託)とは
信託とは財産を信頼できる人(あるいは会社)に託して、託した目的に従って管理してもらうことです。
終活という言葉が盛んに使われるようになりました。
皆が人生のエンディングを迎えるにあたって、やり残しが無いように、人生の棚卸を始めたのです。
自分のやりたいことやしたいことを考えたとき、新しい財産管理の方法として「民事信託(家族信託)」という管理手法が登場したのです。
財産所有者が元気なうちは自分で管理したいが、徐々に意志判断能力を欠き、資産の運用・処分が法的に難しくなることに備えて、事前に親子等で資産の運用・処分の仕組みを決めておくことで、不必要な争いを生まないようにできることが民事信託のメリットなのです。
近年、高齢化率(65歳以上の人が総人口に占める割合)が急上昇しており、日本は「超高齢社会」と言われています。
超高齢社会の到来により、認知症患者の増加が懸念され、相続対策を考える上でも大きな課題となっております。
元気なうちはできるだけ頑張って、いざというときにはきちんと備えておくというのが、
民事信託の仕組みですから、まさに今の時代に必要なぴったりの制度と言えるでしょう。
一般的に信託というと信託銀行をイメージされるかもしれませんが、一般の方でも信託を受けること(財産を預かること)が可能です。
皆さまは生前対策について、『うまくは言えないけどなんとなく不安』といった気持ちや悩みをお持ちではありませんか?
生前手続きはほとんどの方にとって初めてのご経験のため不安になって当然です。
生前対策をしておかなかったために、とても仲が良かった家族がバラバラになってしまうケースもよくあります。それは本当に悲しいことだと思います。
まずは当相談室にご相談いただき、私どもと先々の見通しを立て一緒に不安を解消していきませんか。
私どもは、あなたを親身に徹底してサポートいたします。
この記事を担当した司法書士
山崎司法書士事務所
代表司法書士
山崎 哲
- 保有資格
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司法書士・民事信託士
- 専門分野
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相続 遺言 生前対策 民事信託
- 経歴
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埼玉県川口市の地におきまして、開業以来、18年以上にわたって、近隣の市民の皆様からたくさんの信頼をいただき、特に、相続と遺言書の作成に力を入れて、真面目に取り組んで参りました。
同時に、地元の金融機関や税理士・土地家屋調査士・行政書士の先生方からも、多大なる信頼をいただき、広範囲な業務を行って参りました。
難しい相続・遺言の手続きを「わかりやすく」をモットーに「やさしさ溢れる応対」を心がけていますので、お気軽に、ご相談ください。